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商用にも使えるポーズ資料も Krenzのパース教材「Perspective by Construction」がKickstarterに登場

「写真を見ながらなら描けるのに、同じ人物を別の角度から描こうとすると急にわからなくなる」。

人物イラストを描いていると、そんな壁にぶつかることがあります

Krenz Artwork Academyが、パースを「見て真似する」のではなく、空間や立体を組み立てながら理解するための教材「Perspective by Construction」をKickstarterで展開しています。

中心となるのは2冊のハードカバー書籍ですが、実写のポーズ資料、繰り返し使えるパース練習カード、スケッチブック、制作工程を確認できるレンチキュラーカードなど、絵を描く人がそのまま練習へ使えるリターンが用意されているのも気になるところです。

キャンペーンは2026年10月13日まで。目標額1万ドルはすでに突破しています。

1冊目は「空間をどう組み立てるか」から始まる

「Perspective by Construction」は2冊構成です。

Volume Oneで扱うのは、空間を観察し、測り、立体として組み立てるための基礎。短縮して見える形の捉え方や、正確な立体構築などを学びます。

短縮は、物体や人体を斜め・奥行き方向から見たとき、手前と奥で長さが縮んで見える現象です。 人物を正面や真横以外から描くときにも避けて通れません。

パースの教材というと、一点透視図法や二点透視図法を覚え、消失点へ向かって線を引く練習を想像するかもしれません。

今回の教材が重視しているのは、そこからもう一段踏み込んだ「なぜ、その形になるのか」の理解です。

写真を見ながら輪郭を追えば描けても、資料の角度が変わった途端に描けなくなるなら、見えている線ではなく、その奥にある立体を理解する必要があります。

2冊目では、人体を別の角度へ回していく

Volume Twoでは、Volume Oneで扱った空間と立体の考え方を人物へ持ち込みます。

ジェスチャーから人体を単純な立体として組み立て、角度を変えたり、上や下から見たりしながら描く練習へ進みます。

ジェスチャーは、人物の細部を描き込む前に、姿勢や動き、身体全体の流れを簡潔な線や形で捉える方法です。 人体をパーツの集合として固く描くのではなく、ポーズ全体の方向や勢いを確認するときに使われます。

「正面のキャラクターデザインはできたけれど、漫画で斜め上から描くと別人になる」「写真の人物は描けるけれど、同じポーズをアオリへ変えられない」といった問題にもつながる部分です。

そのため公式FAQでも、完全なメソッドを学びたい場合はVolume OneからVolume Twoへ進む構成が案内されています。

リターンに「実写ポーズ資料」がある

今回のクラウドファンディングで特に気になるのが、書籍以外の制作資料です。

一部のリターンには、Krenz Artwork Academyが撮影した実写モデルのポーズ資料が含まれています。

衣装や小道具を使ったモデルを、さまざまなポーズと角度から撮影したデジタル画像です。

Pinterestや画像検索でポーズ資料を探していると、「ポーズはいいけれど角度が違う」「欲しいアングルだけ見つからない」といったことが起こります。

今回の資料は教材と組み合わせて練習できるように撮影されており、写真から人体のパースをどう読み取るかという学習にも使われます。

単に格好いい写真を集めたリファレンス集ではなく、教材とポーズ資料が連動しているわけです。

ポーズ資料を参考にした絵は商用利用もできる

作画資料を購入するときに確認しておきたいのが利用条件です。

今回のポーズ資料について、Krenz Artwork Academyは写真の著作権を保有し、写っている人物からモデルリリースも取得していると説明しています。

モデルリリースは、写真や映像に写る人物から、その肖像を一定の条件で利用する許可を得ることです。 人物写真を商用素材として扱う場合には、写真そのものの著作権とは別に確認したい項目です。

資料写真を参考にして描いたイラストは、個人作品だけでなく商用作品にも利用できます。

  • 販売
  • 出版
  • 印刷
  • ポートフォリオへの掲載
  • クライアントワークへの使用

が認められており、Krenz Artwork Academyへのクレジット表記やロイヤリティの支払いも不要です。

ポーズ資料を買ったものの、「これを見て描いた絵を同人誌へ載せていいのか」「仕事のイラストにも使えるのか」と利用規約を確認することは珍しくありません。

その点を最初から明確にしているのは使いやすいところです。

一方、元の写真自体を素材として販売したり、単体で再配布したり、別の素材集や教材へ収録したりすることは禁止されています。写真をAI・機械学習の学習データへ使用することも認められていません。

描いて消せる「Perspective Practice Card」も用意

書籍以外には「Perspective Practice Card」と呼ばれるA5サイズの練習カードも用意されています。

カードには「Krenz Cube」が印刷されており、ホワイトボードマーカーでカードへ直接線を描き、印刷された立方体と比較しながら立体構築を確認できます。

紙の練習帳とは違い、描いたあとに消して繰り返し使える仕組みです

パース練習では、完成イラストを一枚仕上げるより、箱を何個も回転させたり、同じ形を異なる角度から描いたりする反復練習が役立ちます。

一枚の作品をきれいに完成させるための道具ではなく、「間違えて、確認して、消して、もう一度描く」ことを前提にしたリターンになっています。

イラストの完成工程を9段階で見るレンチキュラーカードも

100ドルのリターンには、レンチキュラーカードも含まれています。

レンチキュラーは、表面に細かなレンズを配置し、見る角度によって異なる画像が見えるようにする印刷表現です。 カードを傾けると絵が切り替わったり、動いているように見えたりします。

今回のカードでは、その仕組みを制作工程の表示に使っています。

ラフからフラットカラー、光と影、ディテールを加えた完成状態まで、イラストが出来上がる過程を9段階で確認できる設計です。

完成イラストとラフを2枚並べるのではなく、同じ場所でカードを傾けながら工程を前後できるため、「どの段階で何が追加されたのか」を追いやすくなっています。

リターンそのものの印刷設計としても面白いものです。

自分の絵を直接直してもらうリターンもある

さらに一部のTierでは、Krenz Artwork Academyによる個別添削が設定されています。

対象となるのは、2冊の教材に含まれるエクササイズから選んだ作品です。

提出した絵へ直接修正を描き込み、パース、ジェスチャー、プロポーション、形のどこを修正すればいいのかを示してもらえます。

プロポーションは、人物や物体を構成する各部分の大きさや長さの比率を指します。 人物なら頭身、腕や脚の長さ、胴体との比率などが含まれます。

光や陰影、明度、色彩は添削対象ではありません。

つまり「絵を総合的に上手くしてもらう添削」ではなく、この教材で扱っている立体・人体・パースを理解できているかを見るための添削です。

本を読むだけでは、自分が正しく理解できているのか判断しにくいことがあります。教材と課題、さらにフィードバックまで一続きにしたリターンになっています。

書籍は英語版。日本語版は現時点では未定

Krenz Artwork Academy

日本から支援を考える場合、注意したいのが言語です。

今回Kickstarterで制作される「Perspective by Construction」は英語版です。

Krenz Artwork Academyは英語以外の展開について、現在検討・準備中としていますが、現時点で日本語版の発売は発表されていません。

また、書籍自体のPDF版も現在は予定されておらず、物理書籍として制作されます。

イラストや図を中心に理解できるページがあっても、解説まで読み込みたい場合は英語教材であることを踏まえて支援を決めたほうがいいでしょう。

届くのは2027年第4四半期の予定

もうひとつ確認しておきたいのが発送時期です。

リターンの発送開始予定は2027年第4四半期。クラウドファンディング終了後すぐに本が届くわけではありません。

送料もKickstarter上の支援金額には含まれず、キャンペーン終了後にPledge Managerで配送先とリターン重量に応じて計算・請求されます。

Pledge Managerは、Kickstarter終了後に配送先や追加購入、送料などを確定するための仕組みです。 支援時の金額とは別に送料が発生するプロジェクトもあるため、海外クラウドファンディングでは確認しておきたい項目です。

日本から支援する場合も、最終的な支払額は表示されているリターン価格だけでは決まりません。

「パースの本」だけではないリターン設計が面白い

今回のクラウドファンディングを見ていると、教材を作るときのリターン設計としても興味深いものがあります。

書籍だけを販売するのではなく、ポーズ資料、繰り返し使える練習カード、スケッチブック、制作工程を観察するレンチキュラーカード、個別添削まで、同じ「絵を学ぶ」という目的の周囲へリターンを広げています。

グッズの種類を増やして豪華にするのではなく、支援した人が本を読んだあと、手を動かすところまで考えられています。

「Perspective by Construction」は2026年10月13日までKickstarterで支援受付中です。

パースを覚えることより、「資料がない角度でも立体を考えて描けるようになりたい」という人ほど、内容とリターンを一度確認しておきたいプロジェクトです。

関連リンク

Kickstarter|Krenz Artwork Academy - Perspective by Construction
Kickstarter|リターン一覧
Kickstarter|FAQ・ポーズ資料の利用条件など

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