BOOTHとSUZURIは、どちらも個人クリエイターが作品やグッズを販売できるサービスです。
似ているようで、実際の販売方法はかなり違います。
大きく分けると、自分で作った商品を自由に販売したいならBOOTH、グッズの製作から発送まで任せたいならSUZURIが向いています。
イラストをアップロードして在庫なしでTシャツや雑貨を販売したいならSUZURIが手軽です。一方、同人誌、アクリルグッズ、自作商品、ダウンロード作品などをまとめて販売したいならBOOTHの自由度が高くなります。
BOOTHとSUZURIの違いを比較
まずは主な違いをまとめます。
| 比較項目 | BOOTH | SUZURI |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 |
| 月額固定費 | 0円 | 0円 |
| 自分で作った物販 | ◎ | △ |
| 在庫なしグッズ販売 | ○ pixivFACTORY連携 | ◎ |
| 自宅から発送 | ◎ | 基本的に不要 |
| 製造・発送を任せる | ○ | ◎ |
| 同人誌販売 | ◎ | △ |
| ダウンロード販売 | ◎ | ○ |
| グッズの種類 | 自分で用意する商品 pixivFACTORY | 450種類以上 |
| 価格の自由度 | 高い | 原価+トリブン |
| ショップ運営の手間 | 販売方法による | 少ない |
| 向いている人 | 販売方法を自由に組みたい人 | 手軽にグッズを作って売りたい人 |
両方とも初期費用や基本的な月額料金なしで始められます。
BOOTHでは商品が売れた際のサービス利用料などが発生し、SUZURIではグッズの原価にクリエイターが設定した「トリブン」を加えて販売します。
BOOTHは「自分のショップを作る」感覚に近い
BOOTHでは、自分で用意した商品を登録して販売できます。
販売方法も複数あります。
- 自宅から発送
- BOOTH倉庫から発送
- ダウンロード販売
- pixivFACTORYと連携したオンデマンド販売
たとえば自分で印刷した同人誌を自宅から発送したり、印刷所で作ったアクリルキーホルダーを販売したり、PSDやPDFなどのデータをダウンロード商品として販売したりできます。
自宅発送では梱包や発送を自分で行いますが、そのぶん取り扱う商品の自由度は高めです。
すでにイベント頒布用の商品を持っていて、オンラインでも販売したい人とは特に相性がいいでしょう。
SUZURIは「デザインを登録してグッズ化してもらう」サービス
SUZURIは、イラストやデザインを登録すると、そのデザインを使ったグッズを販売できるサービスです。
Tシャツ、パーカー、バッグ、スマホケース、雑貨など、2026年8月時点で450種類以上のアイテムが用意されています。
注文が入ってから商品が製作される受注製作方式なので、クリエイターが在庫を抱える必要はありません。
商品の製作だけでなく発送までSUZURI側に任せられます。
たとえば「イラストはあるけれど、グッズを100個作って在庫を抱えるのは怖い」という場合でも、画像を登録して販売を始められます。
ここがBOOTHとの大きな違いです。
在庫を持ちたくないならSUZURIが手軽
物販を始めるときに負担になりやすいのが在庫です。
たとえば自分でTシャツを50枚製作すると、
- 製作費を先に支払う
- 商品を保管する
- 注文を管理する
- 梱包する
- 発送する
- 売れ残った商品を抱える
といった作業が発生します。
SUZURIでは注文を受けてから商品を製作するため、この負担をかなり減らせます。
グッズ制作・販売は無料で、在庫と発送もSUZURI側に任せる仕組みです。
「まず自分のイラストでグッズ販売を試したい」という段階なら、始めやすさではSUZURIが優勢です。
同人誌や自作グッズを売るならBOOTH
一方、すでに完成している商品を販売するならBOOTHのほうが使いやすいケースが多くなります。
たとえば、
- 同人誌
- 同人グッズ
- ハンドメイド作品
- 自分で製造したアクリルグッズ
- イベントの残部
- オリジナルパッケージの商品
などです。
BOOTHの自宅発送なら、自分で用意した商品をそのまま販売できます。
発送作業まで自分で行いたくない場合は、BOOTHの倉庫サービスを利用する方法もあります。
同人イベントで頒布した本やグッズをオンライン販売したい場合は、BOOTHのほうが自然な選択になりやすいでしょう。
BOOTHでも在庫なし販売はできる
「BOOTH=在庫が必要」とは限りません。
BOOTHはpixivFACTORYと連携したオンデマンド販売にも対応しています。
pixivFACTORYで商品データを作成し、BOOTHの商品として登録すると、注文後に工場で製造され、そのまま購入者へ発送されます。
そのため、在庫なしで販売したい=必ずSUZURI というわけではありません。
ただ、SUZURIはサービス自体がグッズの受注製作を中心に設計されており、グッズの種類も豊富です。
在庫を持たないグッズ販売を中心に考えるなら、SUZURIのほうが仕組みを理解しやすいでしょう。
BOOTHの手数料
2026年8月時点で、BOOTHの基本的なサービス利用料は5.6%+45円です。
| ダウンロード商品 | 商品価格×5.6%+45円 |
| 自宅発送の商品 | (商品価格+送料)×5.6%+45円 |
たとえば1,000円のダウンロード商品なら、サービス利用料は101円。差し引き後は899円です。
倉庫サービスを利用する場合は、サービス利用料とは別に倉庫関連の手数料も発生します。
SUZURIのグッズは「原価+トリブン」
SUZURIの通常グッズは、BOOTHとは利益の考え方が異なります。
アイテムごとにSUZURI側で原価が決められており、そこへクリエイターが設定した「トリブン」を加えます。
原価+トリブン=販売価格 という仕組みです。
たとえば原価2,500円の商品に500円のトリブンを設定すると、販売価格は3,000円です。
商品が売れると500円がクリエイターのトリブンになります。
通常のグッズ販売では、クリエイター側に別途販売手数料が発生する仕組みではありません。
デジタル作品は両方で販売できる
BOOTHもSUZURIもデジタルコンテンツ販売に対応しています。
BOOTHではダウンロード商品としてファイルを登録できます。0円の商品も設定できるため、無料素材や体験版の配布にも利用できます。
SUZURIでも、
- イラスト
- 壁紙
- 写真
- 電子書籍
- 3Dモデル
- 音声
- 動画
- 素材データ
などを販売できます。
SUZURIのデジタルコンテンツは初期費用・月額固定費0円で、グッズとデジタル作品を同じショップに並べられます。
販売手数料は2026年8月時点で、販売価格×5.6%+22円 です。
たとえば1,000円で販売した場合、手数料78円を差し引いた922円がトリブンになります。
デジタル販売だけならBOOTHとSUZURIはどっち?
デジタル作品だけを販売する場合は、商品内容やショップの使い方で選びます。
BOOTHは自宅発送の商品、ダウンロード商品、同人誌などを同じショップで扱えるため、創作活動全体の通販拠点を作りたい人と相性があります。
SUZURIはグッズとの組み合わせが特徴です。
たとえば、イラストをデータ販売するだけでなく、「同じイラストを使ったTシャツやステッカーも販売する」といったショップを作りやすいのがSUZURIです。
デジタル作品単体の手数料だけを見ると、固定部分はBOOTHの45円に対してSUZURIは22円です。
ただし、サービス選びは手数料だけでなく、他に何を販売する予定なのかまで含めて決めたほうがよいでしょう。
価格を細かく決めたいならBOOTH
販売価格の自由度ではBOOTHが扱いやすいです。
自分で仕入れた商品なら、
製造費
+梱包費
+販売手数料
+欲しい利益
を考えながら価格を設定できます。
一方、SUZURIの通常グッズは原価があらかじめ決められています。
クリエイターが調整できるのは、主にその上に載せるトリブンです。
そのため、「このTシャツをどうしても2,000円で売りたい」と考えても、SUZURI側の原価がそれ以上なら実現できません。
価格・製造方法・梱包などを細かくコントロールしたいならBOOTHのほうが向いています。
発送作業をしたくないならSUZURI
自宅発送のBOOTHでは、注文が入るとクリエイター自身が商品を梱包して発送します。
売れる数が少ないうちは負担にならなくても、注文数が増えると発送作業だけでも時間がかかります。
SUZURIなら製作から発送まで任せられます。
購入者との間で商品製造・発送を毎回自分で処理する必要がないため、制作時間を削って発送作業をしたくない人には大きなメリットがあります。
BOOTHでも倉庫やpixivFACTORYを利用すれば発送を任せられるため、最終的には「何を売るか」で判断するとよいでしょう。
BOOTHが向いている人
BOOTHとの相性がいいのは、次のような人です。
- 同人誌を通販したい
- イベントで作ったグッズの残部を販売したい
- 自分で製造した商品を販売したい
- ダウンロード作品も販売したい
- 商品価格を細かく決めたい
- 自宅発送・倉庫・オンデマンドを使い分けたい
- 創作活動全体の通販ショップを作りたい
特に同人活動をしている場合、物販とデジタル販売をまとめやすい点は大きなメリットです。
SUZURIが向いている人
SUZURIとの相性がいいのは、次のような人です。
- イラストをグッズにして販売したい
- 在庫を持ちたくない
- 初期費用をかけたくない
- 梱包や発送をしたくない
- Tシャツや雑貨など多種類のグッズを作りたい
- 売れるか分からないデザインをまず試したい
- デジタル作品とグッズを一緒に販売したい
特に「作品は作れるけれど、グッズ製造や通販作業まではやりたくない」というクリエイターには使いやすいサービスです。
BOOTHとSUZURIは併用してもいい
どちらか一方に決めなければならないわけではありません。むしろ扱う商品によって分ける方法もあります。
BOOTH
- 同人誌
- アクリルグッズ
- イベント頒布物
- PSD・PDF・素材
SUZURI
- Tシャツ
- パーカー
- バッグ
- スマホケース
- 日用品
という使い分けです。
在庫を作って販売したい商品はBOOTH、在庫リスクを負いたくないグッズはSUZURIと分けてもいいでしょう。
ショップが分散するデメリットはありますが、それぞれの得意分野を使えます。
最初のグッズ販売ならSUZURIは試しやすい
グッズをまだ販売したことがなく、「自分のイラストが商品として売れるのか分からない」という段階なら、SUZURIはかなり試しやすいサービスです。
在庫を先に作らなくていいので、売れなくても大量の商品が家に残りません。
一方で、同人イベントですでに本やグッズを作っているなら、BOOTHのほうが話は早いです。手元の商品をそのまま通販へ回せます。
つまりサービスの優劣というより、自分が商品の製造や発送までやりたいかどうかで選ぶとかなり分かりやすいです。
BOOTHとSUZURI、どっちを選ぶ?
結論をまとめます。
BOOTHがおすすめ
- 同人誌や自作グッズを売りたい
- 商品の価格や販売方法を自由に決めたい
- デジタル作品もまとめて販売したい
- 自宅発送や倉庫を使い分けたい
SUZURIがおすすめ
- イラストから手軽にグッズを作りたい
- 在庫を持ちたくない
- 製作や発送を任せたい
- 初期投資なしでグッズ販売を試したい
特に大きな違いは、BOOTHは「商品を販売する場所」としての自由度が高く、SUZURIは「作品をグッズ化して販売する仕組み」が強いことです。
どちらも初期費用や基本的な月額固定費なしで始められるため、扱いたい商品によって使い分ける方法もあります。
「自分で商品を作って売る」ならBOOTH、「デザインを登録して商品化まで任せる」ならSUZURIを基準に選ぶと判断しやすいでしょう。
出典:BOOTHヘルプセンター・BOOTH販売ガイド・SUZURI公式サイト・SUZURIヘルプ。2026年8月30日時点
https://booth.pixiv.help/hc/ja/articles/115004576874-%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8B%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E5%88%A9%E7%94%A8%E6%96%99%E3%81%8C%E7%9F%A5%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84

