同人イベントへ参加するとき、新刊と一緒に用意しておきたいのがお品書きです。
Xなどで事前に頒布物を告知するときにも、当日のスペースで頒布内容を確認してもらうときにも使えます。
ただ、実際に作り始めると、
- 何を載せればいいか
- 新刊をどのくらい大きくすればいい?
- 既刊が多くて収まらない
と迷いやすいものです。
お品書きで最も大切なのは、豪華にデザインすることではありません。
どこで、何を、いくらで頒布するのかが一目で分かることです。
ここでは、同人イベントのお品書きに必要な情報と、見やすく整理するためのレイアウトをまとめます。
同人イベントのお品書きとは?
お品書きは、そのイベントで頒布する本やグッズを一覧にした案内画像です。
一般的には、
- SNSで事前告知する
- サークルのWebカタログ情報として使う
- 当日スペースへ掲示する
といった用途があります。
コミケWebカタログでも、サークル側から告知画像や頒布物画像、サンプル画像などを登録できます。参加者はサークル詳細ページや一覧から頒布物情報を確認できます。
つまり、お品書きは単なる宣伝画像というより、当日そのサークルで何を買えるか確認するための情報表として考えると作りやすくなります。
お品書きに最低限載せたい情報
まずは次の情報を入れます。
- イベント名
- 開催日
- サークル名
- スペース番号
- 頒布物の表紙・商品画像
- 商品名
- 価格
- 新刊・既刊などの区別
これだけ揃っていれば、基本的なお品書きとして成立します。
逆に、装飾に時間をかけても「スペース番号がない」「価格が小さすぎて読めない」となると、お品書きとしては使いにくくなります。
一番大きく見せたいのは新刊
新刊がある場合は、お品書きの中で最も目立つ位置に置きます。
たとえば、
上半分:新刊
下半分:既刊・グッズ
という構成です。
すべての商品を同じサイズで均等に並べると、新刊がどれなのか探す必要が出てきます。
イベント参加の中心となる商品が決まっているなら、レイアウトにも優先順位を付けます。
たとえば新刊1冊・既刊4冊なら、新刊の表紙を既刊の2〜3倍程度の面積で見せても構いません。
「公平に並べる」より、最初に見てほしいものを大きくするほうがお品書きとして分かりやすくなります。
「新刊」の文字だけに頼らない
新刊を目立たせる場合、「NEW」「新刊」というラベルを付けるだけでも区別できます。
ただし、ラベルだけが目立って表紙や価格が小さくならないようにします。
新刊について最初に知りたいのは、
- どんな本なのか
- いくらなのか
です。
「NEW」を巨大にするより、表紙と価格をしっかり見せるほうが情報として役立ちます。
スペース番号は上部に置くと探しやすい
SNSでお品書きを見た人が次に知りたいのは、どこへ行けば買えるかです。
そのため、
- イベント名
- 日付
- スペース番号
- サークル名
は画像上部へまとめると見つけやすくなります。
たとえば、
12/29 コミックマーケット109
東○○ ○○a / Creator Desk
のような情報です。
イベント名を把握している人も多いので、スペース番号をイベント名より大きくしても構いません。
当日にスマートフォンでお品書きを開いたとき、すぐ配置を確認できる状態を意識します。
価格はかなり大きくしていい
お品書きで小さくなりがちなのが価格です。
表紙画像や作品タイトルは大きいのに、「¥1,000」だけ小さく端に置かれていることがあります。
しかし、購入を考えている人にとって価格はかなり重要な情報です。
特に当日は、「これいくらだっけ?」とスマートフォンで画像を確認することがあります。
価格は装飾ではなく主要情報として扱います。
タイトルより少し小さい程度でも問題ありません。
「500円」と「¥500」はどちらでもいい
価格表記は、「500円」でも「¥500」でも、どちらでも構いません。
重要なのは、お品書き内で表記方法を統一することです。

- 「500円」で統一するならすべて「○○円」
- 「¥500」で統一するならすべて「¥○○」
小さな部分ですが、揃えるだけで一覧性が上がります。
本の情報は全部載せなくてもいい
同人誌の場合、
- タイトル
- サイズ
- ページ数
- カップリング
- 全年齢・成人向け
- 発行日
- あらすじ
- ノベルティ
- サンプルURL
など、載せようと思えば情報はいくらでもあります。
しかし、お品書きに全部詰め込む必要はありません。
最低限、
- タイトル
- 価格
- 新刊・既刊
が分かれば一覧として機能します。
必要なら、「A5 / 48P」「全年齢」「漫画」程度を追加します。
詳しいあらすじや本文サンプルは、別の告知投稿やpixivなどへ分けたほうが読みやすくなります。
お品書きだけで全部説明しようとしない
情報を詰め込みすぎる原因の多くは、「この画像一枚ですべて伝えなければ」と考えることです。
しかしSNSなら、お品書きとは別に、
- 新刊サンプル
- 本文サンプル
- ノベルティ詳細
- 通販案内
を投稿できます。
コミケWebカタログでも、サークル側から頒布物情報や表紙・サンプル画像を登録できます。現在のWebカタログは、頒布物情報を確認できるサークル詳細表示なども用意されています。
お品書きは一覧性を担当する画像と割り切ると、かなり整理しやすくなります。
新刊1冊なら余白をしっかり使う
新刊1冊だけの場合は、お品書きを無理に埋める必要はありません。
たとえば、
上部
イベント・スペース情報
中央
大きな新刊表紙
下部
タイトル・価格・仕様
というシンプルな構成で十分です。
商品が少ないからと、
- あらすじ
- 長いコメント
- 装飾
- キャラクターの切り抜き
などを追加して余白を埋めると、かえって肝心の商品が目立たなくなることがあります。
余白もレイアウトの一部です。
商品が多い場合は「種類」で分ける

既刊やグッズが増えてきた場合は、すべてを単純なグリッドに並べるだけでは見づらくなります。
- 新刊
- 既刊
- グッズ
だけでも十分なので、ブロックごとに分けましょう。
購入者が「本だけ見たい」と思ったときに、どこを見ればよいかすぐ分かります。
同じ種類の商品はレイアウトも揃える
既刊が4冊あるなら、
- 表紙
- タイトル
- 価格
の順番を4冊とも統一します。
グッズなら、
- 商品画像
- 商品名
- 価格
を同じ位置に置きます。
1商品目だけ価格が画像上部、2商品目は画像下部、3商品目はタイトル横、となると視線が毎回移動します。
一度レイアウトの型を作ったら、同じカテゴリの商品は同じ型で並べます。
表紙画像の縦横比を無理に変えない
A5やB5の同人誌表紙は縦長です。
お品書きの枠に合わせるために、表紙を横方向へ引き伸ばしたり、重要な部分を大きくトリミングしたりする必要はありません。
縦横比を保ったまま縮小します。
複数冊並べる場合も、基本的には表紙画像の高さを揃えるときれいに見えます。
表紙そのものに情報を重ねすぎない

表紙画像の上へ、
新刊
1,000円
A5
48P
全年齢
と大量の文字を直接載せると、表紙が見えなくなります。
- 表紙は表紙
- 商品情報はその横や下
と分離すると整理しやすくなります。
特にイラスト主体の表紙なら、画像をきちんと見せること自体が宣伝になります。
背景は商品より目立たせない
お品書きをデザインするとき、背景へ柄やイラストを入れることがあります。
もちろん問題ありません。
ただし、
- 強い柄
- 高コントラストの写真
- 大きな装飾
- 多色グラデーション
などが商品の表紙より目立つと、お品書きとしては読みづらくなります。
すでに本の表紙自体がカラフルなら、背景はかなりシンプルでも成立します。
複数の表紙を並べる場合ほど、背景の情報量を下げるとまとめやすくなります。
色は表紙から拾うとまとめやすい
配色に迷った場合は、新刊表紙から1〜2色拾います。

たとえば表紙が、白・紺・赤なら、お品書きも白をベースに、紺と赤をアクセントにします。
表紙とまったく関係のない色を何色も追加するより、一つのビジュアルとしてまとまりやすくなります。
ただし、表紙自体に色が多い場合は無理に拾わず、白・黒・グレーなどニュートラルな色を使う方法もあります。
フォントは「作品らしさ」より可読性を優先する場所もある
作品タイトルなどには、世界観に合ったフォントを使っても構いません。
一方、
- スペース番号
- 価格
- ページ数
などは、読みやすいフォントを使います。
特に小さなスマートフォン画面では、細い明朝体や装飾の強い書体は読みにくくなることがあります。
お品書き全体を一つのフォントに統一する必要はありません。
タイトルと情報部分で役割を分けても大丈夫です。
文字サイズに3段階くらいの差を付ける
全部の文字が同じサイズだと、何から読めばよいか分かりません。
たとえば、
大
新刊・価格・スペース番号
中
商品タイトル
小
サイズ・ページ数・補足
くらいに分けます。
特に「小」の情報を大量に増やさないことがポイントです。
全部大事に見えても、購入者が最初に知りたい情報には優先順位があります。
スマホで一度確認する
SNSへ投稿するお品書きは、PCモニターだけで完成判断しないほうが安心です。
書き出した画像を一度スマートフォンへ送って、通常のSNS閲覧に近いサイズで確認します。
チェックするのは、
- スペース番号が読めるか
- 価格が読めるか
- 新刊がどれか分かるか
- 商品数を把握できるか
です。
スマホで拡大しないと価格が読めないなら、文字を少し大きくします。
SNS用と当日掲示用は同じデータでなくてもいい
SNSで見るお品書きと、スペースへ掲示するお品書きでは閲覧環境が違います。

SNSではスマートフォンの小さな画面で、会場では紙を少し離れた場所から見ることがあります。
そのため必要なら、
| SNS版 | 縦長・スマホ向け |
| 印刷版 | A4・価格をさらに大きく |
のように分けても構いません。
基本デザインは共通にして、用途に応じて文字サイズや配置だけ調整します。
横長より縦長が作りやすいケースが多い
SNS用のお品書きでは、縦長レイアウトが扱いやすいケースが多くあります。
上から、
- イベント情報
- 新刊
- 既刊
- グッズ
と自然に情報を並べられるからです。
ただし、商品数やSNSの表示方法によって最適な比率は変わります。
「お品書きは必ず○○px」と固定するより、実際の投稿画面で情報が読めるかを優先します。
SNS側の表示仕様は変更されることもあるため、特定のサイズへ完全依存しないほうが安全です。
お品書きにQRコードは必要?
通販ページやサンプルページへ誘導したい場合、印刷用のお品書きへQRコードを載せる方法があります。
ただし、SNS用画像では必須ではありません。
スマートフォンでSNSを見ているユーザーは、そのスマートフォン自身に表示されているQRコードを別端末なしで読み取る必要があるからです。
SNSでは投稿本文にリンクを付けるなど、別の導線も考えます。
当日掲示用ならQRコードが役立つことがあります。
成人向け作品は必要な表示を忘れない
成人向け作品を頒布する場合は、お品書きでも全年齢作品と混同しないようにします。
「R18」「成人向け」など、購入者が判断できる表記を分かりやすい位置へ入れます。
イベントごとの成人向け作品の頒布ルールや修正基準などは、お品書きのデザインとは別に必ず各イベントの最新案内を確認してください。
特にイベント規約は開催回によって変更される可能性があります。
完売した商品をSNSのお品書きでどうする?
イベント前に通販分が完売した場合や、イベント中に商品が完売した場合があります。
イベント前なら、お品書き画像を更新できるなら、「通販分完売・会場分あり」など必要な状態へ変更します。
イベント当日の完売なら、新しいお品書きを作り直すより、「新刊完売しました」と別投稿で知らせるほうが早い場合もあります。
その場の状況に応じて使い分けます。
Webカタログにも頒布物情報を登録する
コミックマーケットへ参加する場合は、SNSのお品書きだけでなくコミケWebカタログ側のサークル情報も確認しておきましょう。
Circle.msのサークル側機能では、最新のサークルカット、告知画像、頒布物の詳細情報、サンプル画像などを掲載できます。
2026年に公開されたコミケWebカタログのリニューアル版では、スマートフォン向け表示も見直され、サークル情報・マップ・頒布物リストなどを整理したレイアウトが導入されています。
SNSだけで告知を終わらせず、イベント側で用意されている情報欄も更新しておくと、参加者がサークルチェックするときの情報を揃えられます。
お品書きを作る順番
デザインから始めるより、情報整理から始めたほうが早く作れます。
おすすめの順番は次のとおりです。
- 当日の頒布物をすべて書き出す
- 新刊・既刊・グッズに分ける
- 商品ごとの価格を確認する
- スペース番号・イベント情報を確認する
- 新刊を最優先にレイアウトする
- 既刊・グッズを同じ形式で並べる
- 補足情報を必要なものだけ追加する
- スマートフォンで確認する
最初にPhotoshopやCanvaを開いてレイアウトを考えるより、載せる情報を先に確定したほうが途中で崩れにくくなります。
お品書きを作る前のチェックリスト
公開前に確認したい項目をまとめます。
- イベント名は正しいか
- 開催日は正しいか
- スペース番号は正しいか
- サークル名は正しいか
- 新刊・既刊の区別が分かるか
- すべての商品に価格があるか
- 商品名と画像が対応しているか
- 成人向け作品の表記が必要ではないか
- スマホでも文字が読めるか
- 古い頒布物情報が残っていないか
特に怖いのがスペース番号と価格の間違いです。
デザインが完成したあと、見た目ではなく情報だけを読む校正を一度行うとミスを見つけやすくなります。
お品書きはポスターではなく「メニュー表」に近い
お品書きを作っていると、どうしても格好よくしたくなります。
新刊の世界観に合わせて凝ったデザインを作るのも楽しいです。
ただ、お品書きそのものの役割を考えると、レストランのメニュー表にかなり近いと思います。
- 何がある
- いくら
- どれがおすすめ
- どこで買える
これが迷わず分かることが最優先です。
新刊の表紙が十分魅力的なら、お品書き側でさらに大量の装飾を足さなくても成立します。
新刊のデザインを邪魔せず、必要な情報へ視線を案内する。
そのくらいに考えると、かなり作りやすくなります。
見やすいお品書きは「情報の優先順位」で決まる
同人イベントのお品書きを作るときは、すべての情報を同じ強さで載せる必要はありません。
基本的な優先順位は、
- 新刊
- 価格
- スペース番号
- 既刊・グッズ
- 細かな仕様
くらいに考えると整理しやすくなります。
- 新刊があるなら大きく見せる。
- 価格は読みやすくする。
- スペース番号はすぐ探せる位置に置く。
- 詳しいサンプルやあらすじは別投稿へ分ける。
この4点だけでも、お品書きはかなり見やすくなります。
装飾を増やす前に、「初めてこの画像を見る人が、3秒くらいで新刊・値段・場所を把握できるか」を一度確認してみましょう。
それができていれば、お品書きとしての基本は押さえられています。
出典:Circle.ms「コミケWebカタログ サークル参加者向け使い方ガイド」「WebカタログViewモードのご案内」「サークル情報入力のお願い」「コミケWebカタログ リニューアル版」
https://docs.circle.ms/webcatalog/notice/webcatalogview.html
