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段ボールから板紙へ。ホーユー×笹徳印刷のメール便パッケージが「日本パッケージングコンテスト」受賞

ホーユーと笹徳印刷が共同開発した「COLORu(コロル)ヘアカラー」のメール便用パッケージが、「2026日本パッケージングコンテスト」で包装技術賞/パッケージデザイン賞を受賞しました。

従来の段ボールから板紙単一素材へ変更し、印刷表現、商品保護、配送効率、包装作業までまとめて設計した事例です。

新仕様では従来比で体積を約28.5%、資材使用量を約9.0%削減しています。

商品を斜めに入れることで箱そのものを縮めた

受賞したのは「COLORu(コロル)ヘアカラー」のメール便用パッケージです。ホーユーと笹徳印刷が、EC配送時の商品保護と配送効率を両立するために共同開発しました。

特徴的なのが、中身のチューブをまっすぐではなく斜めに固定する設計です。

身蓋一体型の組箱と中仕切りを組み合わせ、細長いチューブを斜めに収めることで必要な箱面積を抑えています。

単純に箱を薄くするのではなく、中身の配置から梱包サイズを見直しています

身蓋一体型は、箱本体と蓋が一体化した紙箱です。別々のパーツを組み合わせる形式と比べ、開閉や組み立てを含めた設計をまとめやすい特徴があります。

段ボールから「板紙単一素材」へ変更

従来仕様では段ボール製だったメール便パッケージを、新仕様では板紙単一素材へ変更しました。

段ボールは中芯を含む層によって厚みと強度を確保する一方、板紙は一枚の厚紙を折り・抜き・貼りなどで加工して箱を作ります。

今回、ホーユーは素材変更の利点としてより細かな印刷表現が可能になったことを挙げています。ブランドイメージに合わせた意匠性を高めながら、配送用パッケージとして必要な性能も維持しています。

EC用の梱包は輸送箱として考えられがちですが、購入者が最初に目にする実物のブランド接点でもあります。配送資材と商品パッケージの中間にある媒体として、印刷品質まで含めて設計する意味が大きくなっています。

板紙に変えても保護性能を落とさないための工夫

素材を薄くすれば、そのままでは強度が不足する可能性があります。

今回の箱では、本体の三辺を折り返して側面の剛性を高めています。

内部の中仕切りには三角形の形状を取り入れ、配送中の衝撃から商品を守る設計です

つまり、厚い材料で守るのではなく、折り方と形状で強度を作る方向へ設計を変えています。

紙器設計では、素材選択だけでなく折り筋、中仕切り、フラップ、固定位置などによって箱全体の強さを調整できます。グラフィックデザインだけでは見えにくい部分ですが、パッケージ制作では意匠と同じくらい重要な領域です。

体積約28.5%、資材使用量約9.0%を削減

新しいパッケージは、従来仕様と比べて体積を約28.5%削減。資材使用量も約9.0%削減したと発表されています。

項目従来仕様との比較
パッケージ体積約28.5%削減
資材使用量約9.0%削減
主素材段ボール → 板紙単一素材

箱を小さくすることは紙の使用量だけでなく、配送時に一度に積める個数や保管スペースにも影響します。

EC向けパッケージでは「環境配慮=再生紙を使う」といった素材選択だけに目が向きやすいものの、そもそもの箱サイズを減らすことも環境負荷や物流効率へ直結します。

今回の事例は、その削減を商品配置から始めている点が参考になります。

包装する人の作業まで設計対象にしている

受賞理由には、包装作業性も含まれています。

素材変更と箱の設計を見直したことで、生産現場での包装作業の効率化にもつながったとされています。

パッケージを見る側は完成状態しか目にしませんが、量産品では、

  • 箱を起こす
  • 商品を入れる
  • 中仕切りを固定する
  • 閉じる
  • 梱包する

という工程が何千回、何万回と繰り返されます。

1個あたり数秒の差でも、量産規模では大きな差になります。

パッケージデザイナーが形状を考える際には、完成後の美しさだけでなく、「誰が、どう組み立てるのか」まで制作条件に含まれることがわかる事例です。

パッケージデザインは「表面のグラフィック」だけではない

グラフィックデザイナーから見ると、パッケージデザインはロゴ、色、写真、文字組みなど表面のデザインに意識が向きやすい分野です。

今回評価されたのは、

  • 材料
  • 箱のサイズ
  • 商品の固定位置
  • 衝撃への強さ
  • 印刷表現
  • 組み立てやすさ
  • 配送効率
  • 資材量

まで含めた設計です。

日本パッケージングコンテスト自体も、デザインだけではなく材料、設計、技術、適正包装、環境対応、輸送、物流、販売促進など幅広い観点から作品を評価しています。2026年は48回目の開催です。

パッケージ制作では「きれいな箱を作る」より先に、商品の形と流通条件から最適な箱を組み立てる発想が必要になります。

今回のメール便パッケージは、板紙へ素材を変えただけの事例ではありません。

中身の向きを変え、箱を縮め、折りによって強度を補い、印刷表現と包装作業まで改善する。ひとつの変更を起点に複数の課題を同時に解いた点が、パッケージ設計の参考になります。

関連リンク

ホーユー公式「2026日本パッケージングコンテスト」受賞のお知らせ
笹徳印刷 公式サイト

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