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ArtStation、全作品で「NoAI」をデフォルトONへ|AIスクレイピング対策も強化

クリエイター向けポートフォリオサービス「ArtStation」が、作品をAI学習から保護するための設定を大きく変更しました。

ArtStationは2026年9月2日、AI学習への利用を拒否する「NoAI」を、今後投稿される新規作品だけでなく既存作品にもデフォルトで適用すると発表しました。

さらにCloudflareと連携し、AIクローラーや自動スクレイピングを検出・ブロックする対策も進めます。ArtStation自身も、公開された作品を100%スクレイピングから守ることはできないと認めていますが、これまでの「クリエイター自身が拒否設定をする」方式から、「最初から保護する」方式へ大きく方向転換しました。

新規作品だけでなく過去の作品もNoAIがデフォルトに

ArtStationには以前から「NoAI」という設定がありました。

作品へNoAIタグを付けることで、その作品を生成AIの学習データとして使用しないよう意思表示できます。

今回の変更では、この設定が最初から有効になります。

しかも対象は今後投稿する作品だけではありません。ArtStationは既存のアップロード作品プロフィールにもNoAIを適用すると説明しています。

これまで大量の作品を公開してきたクリエイターが、過去作品を1件ずつ設定し直す必要はありません

AI学習への利用を許可したい場合は、逆にNoAI設定を自分で解除する形になります。

「拒否したい人が設定する」から「許可したい人が解除する」へ変わったことは、かなり大きな違いです。

CloudflareでAIクローラーやスクレイピングをブロック

NoAIタグは、あくまで作品をAI学習に使用しないという意思を示すものです。

タグを付けただけで、技術的に画像を取得できなくなるわけではありません。

そこでArtStationはCloudflareのBot ManagementやAI crawler対策も利用し、既知のAIクローラーや自動スクレイピングを、ArtStation上のコンテンツへ大規模にアクセスする前に検出・ブロックする取り組みを始めています。

通常の検索エンジンによるインデックスはこれまで通り維持されます

ポートフォリオとして公開している以上、Googleなどから作品を見つけてもらえなくなってしまっては本末転倒です。

「検索には載せるが、AI学習目的の大量取得はできるだけ防ぐ」という線を狙っています。

利用規約も今回の変更に合わせて更新

ArtStationは今回の対応に合わせて利用規約も更新しています。

AIとクリエイター作品をめぐるサービス側の対応では、画面上に設定項目だけ追加されても、規約上どう扱われるのか分かりにくいケースがあります。

今回はNoAIのデフォルト化だけでなく、プラットフォームの方針として明示した形です。

ArtStationは「クリエイターが自分の作品を守ってほしいとオプトインする必要はない」と説明しています。

この考え方自体が、これまでのAI関連サービスではあまり一般的ではなかった部分かもしれません。

AI生成作品そのものを禁止したわけではない

一方で、今回の変更を「ArtStationがAI作品を禁止した」と受け取るのは正確ではありません。

AI生成作品は引き続き投稿できます。ArtStationがもうひとつ問題視しているのは、AI生成作品の量が増えることで、人間が制作したポートフォリオが発見しにくくなっていることです。

現在は「#CreatedWithAI」のラベルやフィルターがありますが、ArtStation自身が「現在の仕組みでは十分ではない」と認めています。

今後は、

  • 作品をより適切に発見できる仕組み
  • ユーザー側で表示を制御する機能
  • AI生成コンテンツが大量に表示される問題への対策

などを検討するとしています。

ここは文章だけで説明するより、今後具体的なUIや検索仕様が出てから改めて追った方がよさそうです。

「それならAI作品を禁止すれば?」という声も

今回の発表後、海外のクリエイターからは「そこまで問題だと認識しているなら、AI生成作品そのものを禁止すればいいのでは」という意見も出ています。

Creative Bloqが9月3日に取り上げた反応では、ArtStationに対してAI作品を残す理由を問う声も紹介されています。ArtStation側は、AIを使った制作フローにはさまざまな形があり、単純なルールだけでは解決できないという立場です。

たしかに「AIを使った作品」といっても、その範囲はかなり広くなっています。

すべてを生成した画像もあれば、3D制作の一部だけAIを使った作品、ノイズ除去やアップスケールにAIを使った作品もあります。

どこからを「AI作品」と呼ぶのかを明確に線引きするのは簡単ではありません。

それでも、作品を探す側がAI生成物を避けたい場合にきちんと分離できる仕組みは必要でしょう。

ArtStationも現在のラベルとフィルターだけでは足りないと認識しているため、次にどんな検索・発見機能を出してくるかが重要になりそうです。

8月にEpic GamesからKitBashへ移ったばかり

今回の変更には、ArtStationの運営会社が変わったことも関係しています。

2026年8月10日、ArtStationとSketchfabはEpic Games傘下からKitBashへ移ることが発表されました。

KitBashはKitBash3DやGreyscalegorillaなど、3Dクリエイター向けサービスを運営している企業です。買収発表時にも、クリエイターの作品所有権や帰属、権利を守ることを優先すると説明していました。

その約3週間後に今回のAI対策が発表されたことになります。

ArtStationでは2022年、AI生成作品への対応をめぐって、多くのユーザーが「NO AI」の画像を投稿する抗議が起きました。

かなり長く続いてきた問題に、新しい運営会社になって早い段階で手を入れた形です。

「AI学習に使わない」が標準設定になる意味

今回の変更で特に大きいのは、NoAIという機能自体が新しく追加されたことではありません。

デフォルトが変わったことです。

設定画面の奥に「AI学習を拒否する」という項目があっても、その存在を知らなければ使えません。

最初から拒否状態になっていれば、クリエイター側がAI学習について詳しく調べて設定を変更しなくても、少なくともサービス上の意思表示はできます。

生成AIとクリエイター作品をめぐっては、「嫌なら拒否設定をしてください」という設計が長く使われてきました。

ArtStationは今回、それを逆にしました。

AI学習を望まないことを例外扱いせず、まず保護する。作品を公開するプラットフォームがどちらを初期設定にするべきなのかという点でも、今後ほかのサービスへ影響する可能性がありそうです。

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デザイン制作とWeb運営に携わりながら、クリエイター向けサービスや制作ツールの情報を追っています。

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