Blackmagic Designが、フルフレーム6Kシネマカメラ「Blackmagic Cinema Camera 6K」と「Blackmagic PYXIS 6K」シリーズの価格を引き下げました。
日本での新価格は、Blackmagic Cinema Camera 6Kが税込27万8,800円。PYXIS 6KはLマウント/EFマウントが税込34万8,800円、PLマウントが税込38万800円です。
いずれも6048×4032のフルフレームセンサーを搭載した映像制作用カメラです。Blackmagic Designは、一部部品を以前より安く調達できるようになったことを価格改定の理由として挙げています。
新価格は27万8,800円から
今回の価格改定は次の通りです。
| 製品 | 新価格(税込) |
|---|---|
| Blackmagic Cinema Camera 6K | 278,800円 |
| Blackmagic PYXIS 6K Lマウント | 348,800円 |
| Blackmagic PYXIS 6K EFマウント | 348,800円 |
| Blackmagic PYXIS 6K PLマウント | 380,800円 |
海外価格ではCinema Camera 6Kが2,715ドルから1,595ドルへ変更されており、約41%の値下げです。PYXIS 6Kもモデルによって1,000ドル以上安くなっています。
Blackmagic Designは新モデルへの切り替えではなく、既存モデルをそのまま値下げしています。
カメラ本体の仕様が落とされたわけではありません
Cinema Camera 6Kが30万円を切った
中でも目立つのがBlackmagic Cinema Camera 6Kです。
36×24mmのフルフレームHDRセンサーを搭載し、6048×4032の3:2オープンゲート撮影に対応。Lマウント、デュアルネイティブISO 400/3200、CFexpress収録、USB-C経由の外部ディスク収録にも対応しています。
映像は12bitのBlackmagic RAWで収録でき、H.264プロキシも同時に生成できます。
主な撮影モードは次の通り。
| 解像度 | 最大フレームレート |
|---|---|
| 6048×4032 6K Open Gate 3:2 | 36fps |
| 6048×3200 6K DCI 17:9 | 48fps |
| 6048×2520 6K 2.4:1 | 60fps |
| 4096×2160 4K DCI | 60fps |
| 2112×1184 Super 16 | 100fps |
| 1920×1080 HD | 120fps |
13ストップのダイナミックレンジを備え、ISOは最大25,600まで設定できます。
27万8,800円という新価格を考えると、動画制作を仕事にしている人だけでなく、自主映画やMV、短編映像を制作する個人にも検討しやすい価格帯へ入ってきました。
PYXIS 6Kは「リグを組む」ことを前提にしたカメラ
PYXIS 6Kも同じ6048×4032のフルフレームセンサーを搭載しますが、Cinema Camera 6Kとは筐体の考え方が違います。
ボックス型のボディに複数のマウントポイントを備え、モニター、ハンドル、EVF、ワイヤレス映像伝送機器などを撮影用途に合わせて組み合わせる設計です。
L、EF、PLの3種類からマウントを選べます
LマウントならSigmaやPanasonic、Leica系のレンズを使いやすく、EFモデルなら既存のCanon EFレンズ資産を活用できます。PLモデルはARRI、Cooke、Zeissなどのシネマレンズを想定した構成です。
映画、CM、MVなどでカメラリグを組む撮影スタイルなら、Cinema Camera 6KよりPYXISの方が扱いやすい場面があります。
6Kオープンゲートは縦動画にも使いやすい
現在の映像制作では、同じ撮影素材から横長の本編と縦型SNS動画を作るケースも増えています。
Cinema Camera 6KとPYXIS 6Kは、6048×4032の3:2オープンゲートに対応しているため、センサーの上下まで使って撮影できます。
16:9だけで撮ってしまうより上下方向の情報を残せるため、撮影後に横長、1:1、4:5、9:16などへ構図を切り出しやすくなります。
撮影段階ですべてのSNS用構図を決めなくても、編集時にある程度調整できます
映像制作会社だけでなく、YouTubeとInstagram、TikTokなどへ同じ素材を展開するクリエイターにも使いやすい仕様です。
Blackmagic RAWとDaVinci Resolveを一緒に使える
Blackmagic製カメラの特徴として外せないのが、Blackmagic RAWとDaVinci Resolveの組み合わせです。
Blackmagic RAWで撮影したデータは、DaVinci Resolve上でISOやホワイトバランスなどのRAWパラメーターを編集できます。
カメラと編集ソフトを同じ会社が開発しているため、撮影からカラーグレーディングまでを同じエコシステムで組みやすい構成です。
DaVinci Resolveには無料版もあります
カメラ購入後に編集ソフトへ別途大きな費用をかけず、RAW撮影からカラーグレーディングまで始められる点も、個人制作者にはメリットになります。
値下げの理由は部品調達コスト
これほど価格が変わると、後継機の登場や在庫処分を想像しますが、Blackmagic Designが説明している理由は部品価格です。
CEOのGrant Petty氏は、一部の部品を以前より安く調達できるようになり、その分を製品価格へ反映できるようになったと説明しています。
カメラ業界では原材料費や為替、物流コストなどを理由に価格が上がるニュースも珍しくありません。
今回はその逆です。
しかも数%の価格調整ではなく、海外ではCinema Camera 6Kが約41%下がっています。
フルフレームのデジタルシネマカメラをどこまで低価格化できるのか、Blackmagicらしさが出た価格改定です。
カメラ本体以外の費用は考えておきたい
本体価格が下がったとはいえ、購入費用がそのまま撮影環境一式の価格になるわけではありません。
Cinema Camera 6KにはLマウントレンズが必要で、CFexpressカードやSSD、バッテリーなども用途に合わせて用意します。
PYXIS 6Kで本格的なリグを構築するなら、モニター、ハンドル、ケージ、EVF、電源周りなどの費用も加わります。
RAW撮影ではデータ容量も増えるため、編集用SSDやバックアップストレージまで含めて考えた方がいいでしょう。
「27万円で映画撮影環境が全部完成する」という製品ではありません。
それでも、画質の中心になるセンサーと収録機能を持つカメラ本体がこの価格まで下がった意味は大きいでしょう。
個人の映像制作でもフルフレーム6Kが現実的な価格へ
スマートフォンやミラーレスカメラの動画性能が上がり、映像制作を始めるためにシネマカメラが必須という時代ではなくなりました。
一方で、RAW撮影、オープンゲート、カラーグレーディング、シネマレンズを含めて映像制作環境を組みたい人にとって、専用のシネマカメラには別の使いやすさがあります。
Blackmagic Cinema Camera 6Kが30万円を切り、PYXIS 6Kも30万円台になったことで、その選択肢へ手を伸ばしやすくなりました。
Blackmagic Designのカメラは以前から低価格なシネマ制作環境を押し広げてきましたが、今回の値下げでフルフレーム6Kまでその領域に入ってきた印象です。
映像制作者にとっては、新製品発表以上に気になる価格改定かもしれません。