同人・イベント

ZINEを販売できる場所まとめ|イベント・書店委託・通販を比較

ZINEを販売する方法は、大きく分けるとイベントで直接売る、書店へ委託する、ネットショップで通販するの3つがあります。

初めてなら、イベントで読者の反応を見ながら販売し、残った在庫をBOOTHなどで通販する方法が始めやすいでしょう。その後、作品との相性がいい書店へ委託できれば、自分のSNSを知らない読者にも届くようになります。

販売方法ごとの費用、手間、向いているZINEを比較しながら、自分に合う売り方を整理します。

料金・募集条件は2026年9月18日時点の公式情報を確認しています。イベント出展料、ECサービスの手数料、書店委託条件は変更されることがあるため、申し込み時には各公式ページも確認してください。

ZINEを販売できる場所は大きく5種類

ZINEの販売先を整理すると、主に次の5つがあります。

販売方法初期費用販売の手間新しい読者との出会い向いている人
ZINEイベントあり高い直接売りたい
文学フリマなど即売会あり高い文章・文芸系
書店委託店ごとに異なる低〜中店頭で長く売りたい
BOOTH0円個人通販を始めたい
BASE・STORES0円〜中〜高自分のショップを育てたい

イベントは一日でまとまって売れる可能性がある一方、出展料や交通費がかかります。

通販は出店費用を抑えやすいものの、自分で集客しなければ商品ページを見つけてもらえないことがあります。

書店委託は、その中間です。

自分が店頭にいなくても販売できますが、募集時期、出品料、販売手数料、審査など条件は店によって異なります。

初めてなら「イベント+通販」が始めやすい

販売方法で迷っているなら、

  • イベントで販売
  • 残った在庫を通販
  • 相性が良ければ書店委託

の順で広げる方法があります。

イベントでは、

  • 表紙を見て手に取る人が多い
  • 内容を説明すると買ってもらえる
  • 1,500円だと迷われる

といった反応をその場で見られます。

通販だけでは見えにくい情報です

イベント後にBOOTHなどへ在庫を登録すれば、当日来られなかった人にも販売できます。

いきなり複数店舗へ委託するより、まず一度自分で販売してみると、作品の価格や売れ方も見えやすくなります。

ZINEフェス|ZINEそのものを探している人へ直接売れる

ZINE FESTIVAL EVENT NFORMATION

ZINEを販売する場所としてわかりやすいのが「ZINEフェス」です。

全国20以上の都道府県で開催されており、写真、イラスト、日記、旅行記、漫画、エッセイなど、幅広いZINEが販売されています。

2026年12月5日のZINEフェス東京では、出展料が次のように設定されています。

プラン1名2名
告知協力あり5,200円6,800円
告知協力なし6,200円7,800円

ブースは幅90×奥行90cmで、長机の半分を使用します。

開催地域や回によって料金は異なります。たとえば2026年9月開催のZINEフェス山梨では、1名4,800円からでした。

ZINEフェスが向いている人

  • 初めてZINEを販売する
  • 写真・イラストZINEを売りたい
  • 読者と直接話したい
  • 装丁や紙まで手に取って見てほしい
  • SNS以外で新しい読者に出会いたい

ZINE目的で来場する人が多いため、「知らない個人が作った本を買う」という行動へのハードルが低いのもメリットです。

イベントでは利益だけで判断しない

たとえば出展料が5,200円で、1冊1,000円のZINEを販売するとします。

5冊売れても売上は5,000円なので、出展料だけを見るとまだ赤字です。

そこへ、

  • 印刷費
  • 交通費
  • 梱包
  • ディスプレイ用品
  • 食事代

なども加わります。

イベントは「その日だけで黒字にする場所」というより、読者との接点や今後の通販につなげる場所として考える方法もあります。

文学フリマ|文章・エッセイ・評論系ZINEと相性がいい

https://bunfree.net/about/

文章を中心にしたZINEなら、文学フリマも大きな販売先です。

文学フリマは、出店者が「自らが文学と信じるもの」を販売するイベントで、小説、エッセイ、評論、詩歌など幅広い自主制作物が並びます。

2026年11月8日の文学フリマ東京43では、1ブース6,900円です。

ブースは長机半分の幅900×奥行450mm。1ブースにつき出店者入場証2枚が付属し、定員は1名です。1,000円追加すると定員を1名増やせます。

文学フリマが向いているZINE

  • エッセイ
  • 日記
  • 小説
  • 短歌
  • 評論
  • 研究
  • 旅行記
  • インタビュー
  • 文章+写真

写真やイラストだけの作品も販売できますが、文章を読む目的の来場者が多いことを考えると、読み物系ZINEとの相性は特に良いでしょう。

ZINEイベントと文学フリマ、どちらで売る?

ZINE

違いを大まかに整理すると次のようになります。

比較ZINEフェス文学フリマ
写真ZINE
イラストZINE
エッセイ
小説
詩・短歌
装丁を見せたい
初めてのZINE
読み物中心

絶対的な区分ではありません

写真と文章を組み合わせた旅行ZINEなら、どちらにも出せます。

可能なら一度来場者として両方へ行き、自分の作品がどちらの会場に馴染みそうかを見ると判断しやすくなります。

書店委託|自分がいなくてもZINEを販売できる

イベントと違い、自分が店頭に立たなくても販売できるのが書店委託です。

委託販売とは、自分の商品を書店などへ預け、店側に販売してもらう方法です。売れた分について売上を受け取り、売れ残った在庫は契約終了後に返却される方式が一般的です。

条件は店によって違います。

  • 販売手数料を取る
  • 月額や出品料を取る
  • 両方かかる
  • 審査がある
  • 募集期間が決まっている
  • 納品部数が決まっている

など、統一されたルールはありません。

必ず各店の募集要項を確認します。

MOUNT ZINE|ZINE専門店で約5か月販売

ZINE専門店のMOUNT ZINEでは、定期的にZINEを募集しています。

直近の「MZ30」では、東京の店舗とオンラインストアで約5か月販売され、ジャンル不問・出品審査なしと案内されていました。

募集条件は次の通りでした。

項目MZ30
出品料13,200円(税込)
販売期間約5か月
販売手数料なし
初回納品5部または10部
サイズB5以下
厚さ1cm以下
販売価格330〜2,200円
ジャンル自由

出品料を払う代わりに、販売手数料は取られない方式です。

ZINE専門店なので、「自主制作物を探しに来ている人」に見てもらえることが大きなメリットです。

一方、1冊1,000円のZINEを5冊売っただけでは出品料を回収できません。

利益だけで見るのではなく、

専門店へ置かれること
+新しい読者へ見つけてもらうこと
+オンライン販売まで任せられること

まで含めて判断したい販売方法です。

MOUNT ZINEは通常、春と秋のイベント前に募集期間を設けています。

BOOKSHOP TRAVELLER|棚を借りて自分の店を持つ方法もある

祖師ヶ谷大蔵のBOOKSHOP TRAVELLERでは、棚を借りて自分の本屋を持つ「ひと箱店主」の仕組みがあります。

申し込み後に来店・面談があり、店全体のバランスなどを見ながら審査されます。

月1回以上、一日店主として店頭に立てる人が優先されると案内されています。

ZINE制作スペース「ジンラボ」もあり、ひと箱店主であれば自分の棚で制作したZINEを販売できます。

単に数冊を預ける委託とは違い、自分で小さな書店を運営する感覚に近い方法です。

複数タイトルを継続的に作る人や、ZINE以外にも本を選びたい人に向いています。

書店へ直接持ち込めば置いてもらえる?

店によります。

独立系書店の中にはZINEやリトルプレスを積極的に扱う店もありますが、突然商品を持参して「置いてください」と依頼するのは避けた方がいいでしょう。

まず、公式サイト、Instagram、X、委託販売募集ページなどで募集要項を確認します。

募集が明記されていない場合は、問い合わせ方法に沿って連絡します。

その際は、

  • ZINEのタイトル
  • 内容
  • サイズ
  • ページ数
  • 販売価格
  • 希望納品数
  • サンプル画像
  • 自分のWebサイトやSNS

を簡潔にまとめると伝わりやすくなります。

BOOTH|個人クリエイターが通販を始めやすい

オンライン販売で使いやすいのがBOOTHです。

ショップ開設自体に月額費用はなく、商品が売れたときにサービス利用料が差し引かれます。

2026年9月時点で「自宅から発送」のサービス利用料は、(商品価格+送料)×5.6%+45円です。

たとえば、

ZINE:1,000円
送料:270円

なら、

1,270円×5.6%+45円 = 約117円

がサービス利用料の目安になります。

計算時は小数点以下切り上げです。

匿名配送が使える

BOOTHがZINE販売と相性がいい理由のひとつが匿名配送です。

「あんしんBOOTHパック」ではヤマト運輸と連携し、購入者と販売者がお互いの氏名・住所・電話番号を知らせずに発送できます。

2026年9月現在、あんしんBOOTHパックのネコポスは全国一律270円。ゆうゆうBOOTHパックでは、ゆうパケットポストminiが200円、ゆうパケットポストが250円です。

送料は購入者が注文時に支払うため、販売者が発送時に送料を支払う必要はありません。

BOOTHが向いている人

  • イラストレーター
  • 同人活動をしている
  • pixivを使っている
  • SNSにフォロワーがいる
  • 匿名配送したい
  • イベント後の在庫を通販したい

最大のメリットは、個人クリエイターが使いやすいことです。

一方、ネットショップを作っただけで自然に大量のアクセスが来るわけではありません。

X、Instagram、pixivなどから商品ページへ誘導する必要があります。

BASE|自分のZINEショップを作りたい人向け

ZINEだけでなく、ポストカード、作品集、グッズなどもまとめて販売したい場合はBASEも候補です。

スタンダードプランなら、初期費用・月額費用は0円です。

通常注文では、

決済手数料3.6%+40円
+サービス利用料3%

がかかります。

たとえば1,000円の商品なら、単純計算で、

36円+40円+30円 = 106円

が基本的な手数料の目安になります。

決済方法や購入経路によって条件が異なるため、正確な金額は注文条件ごとに確認します。

BASEの強みは「自分の店」にできること

BOOTHはクリエイター向けマーケットの中にショップを作る感覚があります。

BASEは、自分のブランドのオンラインショップを作る感覚に近くなります。

ZINEだけでなく、

  • ポスター
  • ポストカード
  • 写真
  • 雑貨
  • アパレル
  • オリジナルグッズ

などへ広げたい人には使いやすいでしょう。

STORES|ZINE以外も含めてブランドを運営するなら

STORES ネットショップにも月額0円のフリープランがあります。

2026年9月時点では、

プラン月額決済手数料
フリー0円5.5%〜
スタンダード3,300円3.6%〜

となっています。

STORESはネットショップだけでなく、POSレジやキャッシュレス決済なども同一サービス群で提供しています。スタンダードプランでは、ネットショップやPOSレジなど複数サービスを利用できます。

POSレジとは、商品の販売情報や在庫、売上などを記録・管理するレジシステムです。

将来的に、イベント販売 + オンラインショップ + 実店舗やポップアップ までつなげたい場合は候補になります。

ZINEを10冊だけ売る段階なら無料プランから始めて十分でしょう。

BOOTH・BASE・STORESはどれがいい?

大まかに整理すると次のようになります。

サービス月額0円手数料の目安向いている人
BOOTH(商品+送料)×5.6%+45円個人クリエイター
BASE3.6%+40円+3%自分のショップを作りたい
STORES5.5%〜ブランド・店舗運営まで考える

「どれが最も安いか」だけでは決めない方がいいでしょう。

  • ZINEを数タイトル販売する個人ならBOOTH
  • 自分のブランド名でショップを育てたいならBASE
  • オンラインと実店舗の販売管理まで広げるならSTORES

という分け方がしやすくなります。

InstagramやXのDMだけで売る方法は?

SNSで購入希望者を募集し、銀行振込などで直接販売することもできます。

プラットフォーム手数料を避けられる反面、

  • 注文管理
  • 入金確認
  • 住所管理
  • 発送連絡
  • 個人情報管理

をすべて自分で行う必要があります。

販売数が2〜3冊なら対応できますが、注文が増えるほど管理ミスのリスクも増えます。

住所を直接受け取りたくない場合は、匿名配送が使えるサービスを利用した方が扱いやすいでしょう。

イベント販売の価格と通販価格は同じでなくてもいい

  • イベントでは1,000円
  • 通販では1,100円

というように価格を変えるケースもあります。

通販には、

  • サービス利用料
  • 梱包材
  • 発送作業
  • 決済コスト

が発生するからです。

BOOTHでは送料もサービス利用料の計算対象になります。

イベント価格と通販価格を完全に揃える必要はありません。

ただし、価格が違う理由が購入者から見ても自然な範囲に収まるようにします。

書店委託の販売価格は勝手に変えない

書店へ委託する場合は、販売価格の設定条件を必ず確認します。

MOUNT ZINEのMZ30では、販売価格は330〜2,200円、税抜100円刻みという指定がありました

店によって、

  • 税込価格指定
  • 値札を作者が付ける
  • 店側が値札を付ける
  • 手数料込みで価格を考える

など条件が違います。

通販と店頭で販売する場合も、価格設定を事前に整理しておくと混乱しません。

在庫は販売先ごとに分けすぎない

50冊作って、

  • イベント用20冊
  • BOOTH用10冊
  • 書店Aへ10冊
  • 書店Bへ10冊

と全部振り分けると、自宅在庫がゼロになります。

BOOTHで突然注文が入っても発送できません

初めてなら、イベント用+自宅通販用を中心に持ち、委託は5冊程度から始める方が管理しやすいでしょう。

MOUNT ZINEでも初回納品は5部または10部に設定されています。

大量に預けるより、売れたら追加納品できる店を利用する方が在庫を動かしやすくなります。

ZINEを売るときに用意しておきたいもの

イベントでも通販でも、作品そのもの以外の情報が必要です。

最低限、

  • タイトル
  • 作者名
  • サイズ
  • ページ数
  • 発行日
  • 価格
  • 内容紹介
  • 表紙画像
  • 中面画像
  • SNSまたはWebサイト

をまとめておきます。

通販ならさらに、

  • 重量
  • 梱包後サイズ
  • 発送方法
  • 発送までの日数

も決めます。

書店委託では、作品情報をまとめた資料や納品書を求められることがあります。

初めてなら何冊用意する?

販売経験がない段階で100冊刷る必要はありません。

たとえば、

  • 20〜30冊印刷
  • イベントへ15冊
  • 残りをBOOTH
  • 売れ方を見て増刷

くらいでも始められます。

オンデマンド印刷なら少部数で増刷しやすいため、「完売しそうだから大量に刷る」より「売れたら増刷する」方法が取りやすくなっています。

オンデマンド印刷とは、版を作らずデジタル印刷機から直接印刷する方式です。少部数でも注文しやすく、ZINE制作でもよく使われます。

売る場所によって表紙の役割も変わる

イベントでは、机の上に何十冊ものZINEが並びます。

書店でも棚に多くの本があります

その中では、表紙やタイトルだけで立ち止まってもらう必要があります。

一方、BOOTHなら商品ページに、

  • 表紙
  • 中面
  • 説明文
  • サンプル画像

を掲載できます。

店頭では一瞬。通販では数十秒。

販売場所によって、読者が作品を判断する時間が違います。

同じZINEでも、販売先ごとに見せ方を変える価値があります。

一番強いのは「イベント・書店・通販」をつなぐこと

ZINEを一度作ったら、一か所だけで売る必要はありません。

  • イベントで販売する
  • 買えなかった人へBOOTHを案内する
  • 書店へ委託して、自分を知らない人にも見つけてもらう
  • 次のZINEを出したら、以前買ってくれた人へSNSで知らせる

この循環ができると、一冊ごとの販売数だけではなく、作者そのものを覚えてもらえるようになります。

ZINEは大量販売だけを目指す出版物ではありません。

30冊刷った本が、イベントで10人、通販で10人、書店で10人へ届く。

販売先を分けることで、まったく違う30人に届くことがあります。

最初から完璧な販路を作る必要はありません。

まず一か所で売ってみる。そこから、自分のZINEに合う場所を増やしていけば十分です。

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